小学生の時、誰もがランドセルを使ったのではないでしょうか。6年間もあの形を留め、実際に利用することが可能なカバンなんですから、かなり質が高いものなんだろうなと思わされます。まぁ、6年生にもなると、ランドセルはボロボロになったものですが。
そのランドセルの由来は、江戸時代末期の幕末、幕府が西洋式の軍隊制度を導入した際、持ち物を入れるためにオランダから持たされたカバンを利用したものだったと言われています。オランダ語の呼称である「ランセル」が訛って、「ランドセル」になったのだとか。つまり、ランドセルの起源はオランダなんです。そして、そのランドセルを最初に利用した学校は、学習院の初等科だったそうですよ。
学習院は1885年、教育の平等を掲げ、馬車や人力車による登校を禁止しました。それに伴って児童が通学かばんを必要とするようになり、ランドセルが導入されたんです。しかしそれは今のランドセルとは異なり、まだまだリュックサックのようなものでした。
1887年、当時まだ皇太子だった大正天皇が学習院に入学した際、初代総理大臣として知られる伊藤博文がお祝いの品としてランドセルを献上しました。それがきっかけとなり、世間にランドセルが認知されていったと言われています。当時のランドセルは革製で高級品であり、庶民が手にできるものではありませんでしたが、戦後の高度経済成長を迎えた頃から、人々もランドセルを使うようになりました。
僕たちが小学生の時に当たり前のように使うランドセル。実はこのような歴史があったんです。