日本で大きく普及をした自販機ですが、この自販機を見て、「わが国でも!」と自販機ビジネスに乗り出した国がありました。しかし、その国家が自販機を設置し、実際にその設置数を増やしていっても、日本のような売り上げには繋がらなかったそうなんです。それは一体なぜなのでしょうか。
まず、自販機のメンテナンスを怠ってしまったため、自販機そのものの故障が相次いだんです。商品が出ない、お釣りが出ない、そのようなトラブルが相次ぎ、次第にドリンクが腐っているという時代にも陥りました。飲み物が腐るなど考えにくいですが、衛生管理を怠ってしまえば、飲み物に異常が発生してしまっても無理はありませんね。
また、落書きをするなど自販機を汚損させてしまうトラブルも増えました。そうなってしまえば、誰もそんな自販機で飲み物を買いたいとは思いません。やはり食品なんですから、綺麗な自販機で買いたいと思うのが人間です。管理やモラルなど、日本ではなかなか考えられない問題が発生し、自販機ビジネスは流行らなかったんです。
しかし、ビジネスチャンスとはあちらこちらに転がっているもの。確かに日本式の自販機ビジネスは、国民性や民度の違いのせいでうまくいかなかったんですが、資源ごみを回収・買取する自販機ができあがりました。例えば空き缶を入れると機械がそれをリサイクル可能かどうか判断し、リサイクル可能と判断したら相当の小銭が出てくる、というスタイルの機械ですね。
違う地域でうまくいっているビジネスをただ導入したところで、うまくいくとは限りません。やはり何かを成功させる時には、顧客をしっかりと見て考えること、市場調査がとても大切だと気付かされる一件だなと思います。