日本には、あちこちに多くの自動販売機がありますよね。もっとも、日本が世界最大の自販機国と言われたのは過去の話。今現在は、飲料の自販機ならアメリカの方が設置数も多いですし、食品の自販機に至ってはアメリカの設置台数は142万台ほど、それに対して日本は7万台ほどとも言われており、雲泥の差なんです。
それなら、なぜ日本における自販機ビジネスは衰退してしまったのでしょうか。そこには、日本特有の大きな原因があるんです。
2010年あたりを境に、日本国内における自販機の設置数は減少していきました。その原因は、自販機の最大のライバルが現れたから。それがコンビニなんです。コンビニが安く淹れたてのコーヒーを販売するようになり、「自販機でコーヒーを買うよりコンビニの方がいい」といったイメージができあがります。それにより、自販機の人気がなくなりました。
そこで自販機ビジネスが目を付けたのが食品販売機。例えば、アメリカではハンバーガーやラーメンなども自販機で販売されています。しかしここにも、日本ではそこまで食品販売機が流行らない理由があるんです。それはもちろんコンビニ。日本のコンビニでは、例えばお弁当を買っても温めるかどうか聞いてくれたり、お箸などを付けてくれたり、袋に入れてくれたりと、サービスが充実しています。そのため、自販機で食べ物を買うよりやはりコンビニが良い、となってしまい、そこまで自販機が流行らないんですね。
コンビニがあるからこそ流行るものもあれば、コンビニのおかげで阻害されてしまうものもある。しかしそれでも、日本のコンビニのレベルがいかに高いか、ということがよくわかるエピソードですね。