食パンと言えば、誰もが愛する食品ですよね。食パンは一般的に4枚切り、5枚切り、6枚切り、8枚切り、10枚切り、12枚切りがあります。分厚く切られたものは食パンの柔らかさやふんわりとした触感が楽しめる一方で、薄く切られたものはトーストした時にカリカリ感を楽しめるというメリットがあります。そしてこの食パン、東日本と西日本では、好まれる切り方が異なるんです。
東日本では、6枚切りから8枚切りが人気だとか。東日本の食パンの売り上げでは6枚切りが占める割合が6割を超え、5枚切りや4枚切りは1割未満だそうです。
その理由は3つ。
(1)東日本では、木村屋のあんぱんによって「パンを食べる」習慣が根付きました。パンはおやつのイメージが強く、食パンが主食になりにくかったため、厚みが求められなかったのではないかと言われています。
(2)第二次世界大戦後、米軍が日本にやってきた際、彼らはサンドイッチ用の食パンを求めたそうです。そのため、8枚切りの食パンが大量に製造され、それが日本人に浸透したという説もありますね。
(3)東日本にはうるち米を使った薄いお煎餅が根強く定着しているため、同じく食パンにも薄くてパリパリな触感を求めた人が多かったから、という説もあります。
対して西日本では5枚切りや4枚切りが主流で、売り上げのうち、5枚切りが5割を占めているとか。むしろ、8枚切りや10枚切りはほとんど購入されていないそうですよ。
その理由は4つ。
(1)パンメーカーの神戸屋の影響を受けているという説です。1960年ごろ、神戸屋はパンのおいしさを広めるために、食パンを厚切りにしました。それにより、それまで8枚切りだった工場の設備が6枚切りに切り替わったんです。
(2)神戸屋の影響で厚切りの食パンを求める人が増え、その需要に伴って徐々に5枚切りが定着していった、という説もあります。
(3)西日本にはうどんやお好み焼きなど、「粉もの」をよく食べる文化があります。もちもちした柔らかい触感を求める人たちは、食パンにもふわふわな厚切りを求めた、とも言われています。
(4)もともと西日本では外国人の食事用に食パンを作っていたため、あんぱんからパン食がスタートした東日本と違い、食事として食べるためにボリュームを求めた、という説もあります。
このような文化的な背景もあり、東日本と西日本では、人気のある食パンの切り方が異なるそうですよ。