僕の人生を振り返ってみると、失敗だらけだったなと思うことも少なくありません。「あれはまずかったな」と感じることもありますし、「もう1回機会があればもっとうまくやるのに」と思うこともあります。しかし、得てして失敗は必要だとも思っています。
失敗をすることで、自分は完璧ではないと思い知ることになります。もちろんそれは自分にとっては苦い経験ですが、自分は完璧だと思い込んでしまったら、もっと大きな失敗に繋がるかもしれませんよね。失敗をして、自分にも知らないことがあった、自分よりもできる人がいた、このように実感できることは、謙虚に生きていくうえでも大切なのではないかなと思います。
また、失敗すると免疫が身に付きます。むしろ、成功した経験しかなければ、ちょっとしたことで自信をなくしてしまうのではないでしょうか。少し注意されたらへそを曲げてしまう、少しうまくいかなかったらすぐに諦めてしまう、それではもったいないですよね。逆に、いろいろ経験して失敗しているからこそ、「いや、まだ負けない」「まだ大丈夫」と、強い心を持っていられるのではないかなとも思うんです。
そして、失敗すると自分の中での話題が増えます。誰かと話す時、僕は自分の失敗談を笑いに変えて話せる人、自分の失敗を用いて話せる人、そのような人は本当に強いと思うんです。失敗したことがない人と話していたら、きっと「押し付けがましい」「上から目線」なんて感じてしまうのではないでしょうか。でも、自分の失敗を笑い話に返ることができれば、自分の中で失敗を克服できた証でもあると思うんです。
だからこそ、失敗には価値があります。人生、常に順風満帆なわけではなく、時に向かい風が吹き、冷たい嵐に見舞われることもあるでしょう。しかし、そんな経験にも価値があるんです。その価値があるからこそ豊かな人生を送れる。そう考えたら、失敗を経験することも、悪いことではないんですよ。