能面。みなさんは能面に対してどんな印象がありますか?怖いですか?可愛いですか?
殆どの人が怖いという印象を持っているのではないかと思います。確かに、暗闇の中にボワッと急に現れたら、ちょっと怖いかもしれませんね。僕もね、特に能面に対して詳しいとか、そういうわけではないんですよ。
確か僕が18歳の時、京都だったかな、たまたま立ち寄ったお店で飾られていた能面を見たんです。なぜか一目惚れしてしまってね。譲ってくれと言ったら、1万円だったかな。
それから能面を手に取り、1人いろいろ研究していたんです。そしてあることに気がついたんですよ。能面は、角度によって表情が変わる。これは凄いぞと、1つ閃いたわけですよ。丸い部屋を借りて円状に能面を並べたら、色々な表情をした能面に一気に出会えるぞと。
そしてその5年後、この夢を実現させました。異様な空気感に包まれて、能面たちが唯一無二の存在になっていた。今にも声が聞こえてきそうな、薄ら笑い、嘲笑い、怒声、泣き声、叫び。 感情という感情がすべて押し寄せてきそうな空気。これがね、その後の僕のお仕事のネタになったってことは、非常に重要な事実なんです。
僕にとって、能面は欠かせない代物なんですよ。