【同僚以上、主従未満 第1話 -3/11-】- 瀬戸口めぐる(女性用風俗amen)東京/性感マッサージ

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瀬戸口めぐる

瀬戸口めぐる  (30)

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  • 同僚以上、主従未満 第1話 -3/11-
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    同僚以上、主従未満 第1話 -3/11-

    「すみません、道混んでて、時間かかっちゃいました」

     果たしてほんの十数分後、本当に永瀬君は私たちの目の前に現れた。

    「あれ? 山本さん、帰ったんじゃ?」
     良くも悪くも同い年に見えない彼が、少年のようにわかりやすく目を丸くして私を見た。

     そして目があった。

     まさか本当に会えるなんて。

     バカ正直に私の心臓が音を鳴らしはじめる。
    「永瀬くん、その……」

    「山本さん終電逃したらしいよ。 永瀬、ホテル探してやって!」
    「え、えぇ……? 仕事じゃ?」
     大声で叫ぶ佐々木課長に、永瀬君の表情がこわばる。

     あーあ、一瞬でもこの酔っ払いに何かを期待した私がバカだった。これでは、まるで私が一緒に泊まりたくて仕方がなくて課長に頼った哀れな同期にしか見えないだろう。

    「でも、ホテルって……どこにあるんですかね」
     だが永瀬君のたどたどしい返答はさらに別の方を向いていた。

    「永瀬! 山本さんに恥かかす気かよ!」
     珍しく佐々木課長が声を荒げる。
     恥ならもう十分すぎるほどにかいているので今さら心配しないで欲しい。

    「じゃ、じゃあ、行きます?」
     下心など全く透けない、煮え切らない表情の永瀬君が私の顔色をうかがう。
    「え、いや……」
     するっと生ぬるい夜風が私たちを撫でていった。

     まだ不安と期待が競っていた。

     それでも、それでも。

     永瀬君と仲良くなるなら今しかない。

     そう思って覚悟を決めた。

    「永瀬くん、行こ」
    「え、はい」

    「よーし、あとは俺に任せて」
     出所不明の気力をたぎらせた課長がバンと胸板を叩くと、おもむろに先頭に立って歩き出した。

     案内人に対して不安はあったが、ここまで来たらどうにでもなれだ。


     数分で私たち一向は、怪しげなホテル街にたどり着いた。
     なぜか課長は勝手知ったる様子で、やたらと緑の多いリゾートっぽいホテルに向かってまっすぐ進んでいく。
     
     そのまま慣れた手つきで上の方の、やや金額の高い部屋を選んで鍵を受け取る。

    「え、課長?」
     違和感を、恐る恐る口に出した。

    「永瀬は俺が指導する!」
     どうやらこの中年男性もどさくさに紛れ、床を同じくする気でいるらしい。

     えー、マジかこいつ。

     迷ったが、今更引き返すことなどできそうにない。もうどうにでもなれ。半ばヤケクソで課長について歩き出す。

    「ほんとに行くんですか?」
     いまだ覚悟の定まらない永瀬君が、数歩遅れて歩きだした。気のせいか彼との距離が妙に遠く感じられた。


     私たちは狭いエレベーターに乗り、4人様用と書かれた部屋に入っていった。

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