視界を奪われた君は
不安と期待が入り混じった息をしていた
もう見慣れていたはずの部屋の匂いが
どこか違って感じるのは
きっと君の感覚が
研ぎ澄まされているからだろう
静かにそばへ寄ると
小さく、身体が震えた
目隠しの下で
どんな顔をしてるんだろうって
思わず、唇が緩む
首筋へゆっくりと息を吹きかけると
君はほんの少し、背を丸めた
「見えないって、ずるいね」
そんな声が聞こえてきた気がして
"慈露"はそっと耳元でささやいた
「じゃあ…感じてごらん」
手のひらを滑らせたのは
ただ肌の上じゃなく
君の緊張と、覚悟と、欲望の上だった
目を閉じることが安心になるように
触れられることが
愛しく変わっていくように
静かに、深く、"慈露"は
君の中の「見えなかったもの」に触れていく
慈露の写メ日記
-
◆Day28-4◆瞳を隠したままで慈露