最初は戸惑いの目で縄を見つめていた君
でもその身体にそっと麻縄を這わせるだけで
呼吸がすこしだけ変わったのがわかった
手首を揃えて、腰の辺りで縛っていく
少しずつ、でも確実に
自由が奪われていく中で
君の目が、だんだん遠くを見始める
「やめる?」
と訊こうとしてやめた
この静けさの中に
君の「答え」はすでにあるから
縄が肌をなぞるたび
君の感覚は鋭く研ぎ澄まされていく
声も、動きも、感情さえも
この一瞬の中に閉じ込められていく
"慈露"が最後に背中をきゅっと締めたとき
君は目を閉じてわずかに肩を震わせた
それは痛みじゃない
羞恥でも、恐れでもない
きっと「ゆだねたこと」への安堵の揺れ
そして「逆らえない」と感じた覚悟
「見られている」と意識した瞬間
人は深く感じはじめる
それは縄の痕よりももっと奥に残る感覚
慈露はただそばにいて見つめてるだけ
でもそのまなざしが
君の内側をじわじわと溶かしていく
自由を奪われることで
むしろ「本当の自分」があらわになっていく
この時間は君にとってその一歩だと思ってる
慈露の写メ日記
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◆Day30-4◆麻縄の奥で、君が目を閉じた理由慈露