カップから立ち上る湯気に
朝の静けさが溶けていく
ふたり分の紅茶
あなたがふーっと息を吹きかけた
その瞬間に…
"慈露"の記憶は
ふと昨夜の余韻へと引き戻される
テーブルに並んだティーカップ
指先がかすかに触れた瞬間
あなたの目が
少しだけ潤んだことを思い出す
言葉なんていらない
その香りの奥にちゃんと残ってたんです
昨夜のぬくもりも、吐息のリズムも
ふたりだけが知っている
"深く混ざり合った時間"
その一杯の紅茶に
あなたの心が沁み出していた
飲み干すのが
少しだけ惜しくなってしまうほどに
今日もまた、そんなふうに
なにげない仕草から
あなたの感情を拾いたいと思っています
露花の"慈露"より
慈露の写メ日記
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◆Day26-2◆あの一杯の紅茶に、全部がにじんでた慈露