「目が合っただけなのに、なぜかゾクッとする」
そんなふうに思ったことありませんか?
起き抜けの女性の目線って
ほんの少し焦点が合っていなくて
まだ夢と現実の境目にいる
そこには警戒心も理性も
まだ完全には戻ってきていないのです
まぶたが半分閉じたまま
ぼんやりとこっちを見るその視線に
慈露は時折
抗えないほどの色気を感じてしまう
きっとそれは
あなたが"素"でいる瞬間だから
媚びるでもなく、隠すでもなく
ただ見つめるだけ
でもその"ただ"の中に
夜の余韻や、身体の記憶
そして言葉にならない欲がにじんでる
朝の無防備なまなざしは
言葉よりずっと雄弁です
露花の"慈露"より