ふたりの間に流れていた静かな時間…
軽く結んだ手首の糸は"ただの飾り"
でも、ほどこうとすると
あなたはそっと目を伏せた
「もう少しだけ、このままにして欲しい…」
その声にはどこか甘えているような…
でもどこか怖がっているような…
そんな繊細な気配が混ざっていて
慈露はすぐに手を引っ込めた
"拘束"って、ただのプレイじゃない
それは"心の鍵をそっとあける"ような行為
自分からは踏み込めないけれど
相手が差し出した"儘ならなさ"を
優しく受け取る時間
ふたりの呼吸がゆっくりと溶け合って
手首の赤い糸の存在が
だんだんと境界線を曖昧にしていく
「慈露は、ほどかない」
けれど締めつけもしない
その"あいだ"の感覚を
ただ静かに味わいながら肌を見つめていたい
身体よりも、心の奥にふれているような感覚
そんな夜を"慈露"は一緒に作り上げたいのです
露花の"慈露"より