パチンっ
と軽い音が室内に響く
それは空気が揺れる合図
次の一瞬肌の奥にじわりと熱がにじむ
手のひらでも、指でもない
革のベルトのような
先端が平たい"鞭"
勢いは抑えてあるのに
不思議と"深く"響く
赤く染まる
その肌の色には意味があります
痛みだけじゃない
恐怖でも、我慢でもない
そこには信頼がある
任せられるという
静かな肯定がある
慈露が鞭を持つとき
一番に考えるのは"身体の応答"
力の加減、角度、リズム…
それに合わせて
皮膚の温度、呼吸の変化、目の揺れ…
それらを感じながら"鞭"を打ちます
身体が自然に
"受け入れていく流れ"
をつくっていくのです
最初は「ビクリ」と跳ねていたあなたも
少しずつ力が抜けていき
ただ快感の波に
委ねていくようになったりします
「痛いはずなのに…なんで…」
そんな戸惑いと恍惚が混ざった瞳で
こちらを見上げる姿が
たまらなく美しい
その時ようやく伝わるんです
快感って、単純じゃないって
"感じていい"
と自分に許可を出してくれた人によって
たどり着ける世界があること
だから慈露は、あなたの肌を赤く染めるたび
内側の氷がひとつずつ溶けていくのを感じます
その「赤い肌」は
あなたが自由になろうとした証なんだ
あなたを痛ぶりたいわけではない
心と身体の奥に触れて
解放してあげたいだけ
ただそれだけ真剣な"慈露"なんです
露花の"慈露"より