【PROLOGUE/プロローグ 】
セラピストとは本来
【心身の健康や精神的な安定を支える専門家】
と言われます。
医療・心理・リラクゼーションの現場で
人の痛みや不安に寄り添い前を向くきっかけをつくる…
そんな素敵な職業だと感じます。
昨今、この定義を越えた
"もうひとつのセラピスト像"
が注目を集めていると感じています。
それが女性専用風俗のセラピスト…
通称【女風セラピスト】です。
ここ数年で
『買われた男』
『ジョフウ〜女性に××××って必要ですか?』
など「女風」をテーマにしたドラマが
地上波で放映されてきました。
"性サービス"を題材にしながら
女性の欲望や癒し、尊厳に光を当て
"風俗"という言葉の印象を
大きく塗り替えたと言っても過言ではないと思います。
世の中に「女風セラピスト」という存在が
少しずつ知られるようになった今だからこそ
"慈露"はあらためて
この世界の"光と影"を見つめ直したいと思います。
【MAIN STORY 1/女風の光と影①セラピストの発信力】
まず、喜ばしい変化として
女性たちが
「触れてほしい」
「気持ちよくなりたい」
と声をあげられる場が確実に増えてきたことです。
自分の"欲求"を大切にし、パートナーではない"第三の存在"に
"性的"なことを求める選択肢が持てたこと…
それは長らく男性優位の性文化の中で閉ざされていた扉が
開かれ始めた証拠だと感じています。
でも、"慈露"は思うんです…
『現実は、そんなにスマートじゃない』
って!
最近のSNSの中では
"映える投稿"のセラピストが注目されやすく
評価される傾向にあります。
・見た目がいい
・エロそう
・人気がある etc
のように、施術よりもルックスや
自己プロデュースに偏る傾向も否めません。
それ自体が悪いことではないと思う一方で
そうした指標が"セラピストの技術"や在り方よりも
優先されてしまう現実があることには多少の疑問を感じます。
もちろん外見やブランディングも大切!
でもね…
それは"入口"でしかない!ってことなんです。
ユーザーの女性の方々も、正確な情報が少ないまま
「当たり外れのある世界」
に不安を抱えながら
足を踏み入れているのではないでしょうか?
様々な"売り"のセラピストが
存在することは良いことだと思います。
ただ「セラピスト」と名乗る以上
プロでなければならないし、
お客様にとって価値のある存在であり続けなければならない!
と"慈露"は考えます。
また、女風ユーザーさん側にも
・セラピスト依存
・不適切な恋愛化
が起きやすく
本来のサービスとの境界が曖昧になることも
課題なのではないかと感じます。
そのすれ違いを減らすためにも
・セラピストがきちんと説明し
・距離感を保つためのプロの意識
が不可欠だと思っています。
【MAIN STORY 2/女風の光と影②セラピストの技術力】
以前の店舗では
新人セラピストに対して
講習を行う立場でもありました。
教えることが沢山ありますし
時間内で教えられることにも限界があります。
意欲のある人間はデビュー後に
個別で"性感講習"などを受けには来ますが
それもほんの一部です。
結果的に多くの新人セラピストは
"技術も経験もない"
ままデビューしてしまいます。
実際、教育環境が整っている店舗が
多くはないのが現状です。
また、新人とベテランで
同価格の店舗も多数存在します。
「価格が同じなのに技術の違いがありすぎる…」
そんな言葉もユーザーさんから耳にします。
"女性の欲求"を本当に理解するには
経験や技術だけでなく"繊細な想像力"が必要です。
・過去のトラウマで、人に触れられるのが怖い
・性に対して罪悪感や否定感を抱えている
・特殊な性癖すぎて誰からも理解を得られない
・自分の身体を大切に思えない etc
のような女性たちも確かに存在します。
そんな彼女たちの心と身体に
真摯に向き合えるセラピストがどれだけいるのでしょうか?
残念ながら…ほとんど居ないと思います。
この世界に"救い"を求めて来られる
・そんなお客様をまるごと受けとめる覚悟があるか…
・その先の快楽に、一緒に辿り着く設計ができるか…
そんなところまで考えられる
"精神的に成熟"したセラピストが
今後増えていくことを祈ります。
【MAIN STORY 3/女風の光と影③女風の課題とセラピストに必要なこと】
◆いま"慈露"が感じている女風の課題◆
・"色"を売り物にしすぎて、"心"や"性"が置き去りになっている
・"自分のため"の投稿や承認欲求が、お客様との関係を曇らせている
・学びや訓練の不足により、無自覚な加害が起こりうる危うさ
・SNSや口コミにとらわれて、"信頼と技術"や"接客の本質"が見失われているetc
◆"慈露"が思うこれからのセラピストに必要なこと◆
・"接客業"としてのホスピタリティ力
・"癒し"と"快感"の両方を、知識と経験で支えられる技術力
・「この人なら触れられてもいい」と思って貰える誠実な関係性構築力
・バーバル&ボディコミュニケーション・人との距離感への真剣さ
・自分を魅せるより、"お客様の時間"を大切にする姿勢etc
こうした課題に、慈露は本気で向き合いたいと思っています。
今後の女風業界に必要なのは
"外に向けた発信力"と"内に向けた誠実さ"の両立
だと思っています。
映えるだけじゃない、上手いだけじゃない。
お客様と"性"の部分でしっかりと向き合い
"生(きる)"を楽しんで頂くこと…
そして一生の記憶に残る"深くて静かな快楽"を届けること…
それが"セラピストの本懐"だと、個人的に信じています。
8年間のセラピストを経験した"慈露"ですが
まだまだ道の途中です。
でも、この業界で
"安心して女性が選べる場所"
を作ることを、命をかけて実現していきたい…
・そして女性が自分の身体を信じられるようになること
・性を怖がらずに、楽しめるようになること
・"自分って気持ちよくなっていいんだ"と、素直に思えること
そう思うようになりました。
最後まで、ご拝読いただきまして
ありがとうございました!
明日また続きをお話しします。
露花✿慈露
#ろかジロー