目隠しをすると世界が静かになる
自分の鼓動、呼吸音、布の擦れる気配…
ふだん意識もしない感覚が
ゆっくりと浮かび上がってくる
そこにふっと気配を差し込む…
重なる呼吸、湿った熱…
何も触れていないはずなのに
息づかいが荒くなり
脚の脚と脚の交点がヒクリと反応する
背中にまわる気配…
肩口から空気を這うように降りていく指先…
ふれたのか、ふれていないのか—
その曖昧さで身体を狂わせていく
両手首に巻かれる麻縄の肌触りは
やわらかくも、でも確かで
肌を麻縄を這うたびに呼吸が浅くなる
そして縛られているという事実が
なぜか安心と興奮を同時に呼び起こす
肌を伝う麻縄の繊維…
そのたびに奥の奥…
触れられていない何かがうずく…
身体はこんなに感じるものなのだろうか?
慈露の目の前で恥じらいとともに
快感が音もなく溢れてくるのではなかろうか?
縛るのを止めてみる…
その時間の長さは
与えられる快感よりも深く残る
触れられたい場所には届かず
でも近くをゆっくり這うような圧だけが
もどかしさと濡れた心に期待を広げていく
快感は激しさではない…
“崩れていく過程”にある
崩されていく心…
乱される息…
まだ何も終わっていないのに
すでに奥の方がひくつくほど疼く
羞恥も、欲も、支配も、甘えも…
全身で引き受けられているという感覚に
ふと涙がにじむことさえある
それでいい!
乱れることは恥じゃない
委ねることでしか届かない快楽がある
心も身体もとろけていく
それは慈露という名の
深くて静かな熱に溶かされていく時間
さあ慈露の前で全てをさらけだしてごらん⸝⸝⸝♡
露花︎✿慈露