夜って、ときどき、こころが静かに湿り気を帯ていて、少しだけ寂しくなる。
誰かに触れたくなる瞬間より、触れられたいって思う夜の方が、ずっと深い気がします。
慈露も、そんな夜を何度も過ごしてきました。
眠れないベッドの中で、ただ静かに呼吸を繰り返しているだけの時間。
心がやわらかくなりすぎて、気づけばなにもかもが沁み込んできそうになる。
セラピストである前に、慈露もひとりの人間です。
あなたと同じように、ときに甘えたくなったり、触れてほしくなったり、あたたかい沈黙の中に、身を沈めたくなる夜もあります。
そんな夜があるからこそ、触れる時のやさしさが変わるのかもしれません。
孤独を知っている人間の手は、きっと、少しだけ、あたたかい。
あなたの夜にも、しずかに寄り添える存在になれたら。
それが、慈露の願いです。
露花の“慈露”より