6月下旬、
30度超えの炎天下の真夏日。
この日朝イチで都内を離れてお客様
先へご訪問、打ち合わせ。
梅雨が明けたあの『唸るような暑さ...』
を彷彿させるような日で、車の冷房を
少し強めにしていました。
都心じゃもう、セルフスタンドが当たり
前ですが、この日はたまたま有人のスタ
ンドに立ち寄ることに。
何台か給油を待つ車が列を作り、
遠くからでもわかるほど、スタッフの
方がテキパキと動き回っている。
『今も、こうして現場で頑張ってくれ
ている人がいる』その姿に、なんと
なぁ〜く感謝の気持ちが湧いてきて...
やがて僕の番が来た。
運転席の窓際まで、
来てくれたスタッフさん。パッと見、
ちょっと『コワモテ』に見えて...
でも、その目はまっすぐで、
静かに僕の言葉を待っている様子。
会話が始まる前から、もう感じました。
『……あ、この人、優しい。』
『カードで、軽油満タン
でお願いします。』
そう告げて、エンジンを止め、
カードを手渡す。
給油の最中、ふとフロントガラスの
ほうを見ると、年配のスタッフお二人が、
僕の車に寄り添うように立っていて、
タオルを手に、何度も、何度も。
虫だらけだったガラスを、丁寧に擦っ
てくれていた。
そこに見せびらかすような動きはなく、
ただ淡々と、静かに。でも確かに、心を
込めて『仕上げ』てくれて、
……と、その時。
キュッ、キュッ…と、急にワイパーが
動き出して、
『あ、やば…!!』
そう、フロントガラスの雨センサーが
反応してしまったんです(焦)
ワイパーがオートモードになっていた
ことを、僕自身すっかり忘れていて...
慌ててスイッチをオフ!!
『あ…やってしまった…』と、
心の中で冷や汗。
でも、お二人は驚くでもなく、
窓越しにやさしい笑顔で、『大丈夫で
すか?』とジェスチャーしてくれて...
僕もとっさに、
『スミマセン…!』って、手を合わせ
ながらぺこり。
こんなやりとりひとつで、
また心がほぐれて来て...
目立つわけでもなく、
声高にアピールするでもなく、
『ただ、そこにいる』ような人の温かさ
数分後、運転席の窓のところへ
戻ってきた先程のスタッフさんは、
『カードお返ししますね。。。暑いので、
エンジンかけといていいですよ。』
と、ふっと笑って言ってくれた。
その一言が、更に沁みた...
※もちろん、法令上は『給油中はエン
ジン停止』が義務。引火や静電気の
リスクを考慮すれば、それが原則だ。
けれど、たとえば...
制限速度が60kmの道を、周囲の流れ
に合わせて70kmで走っている車があっ
ても、安全に配慮されていれば、
実際に取り締まられることはまずない。
そんな現実があるように。
『ルールを守らない』こととは違う。
『状況に応じて、柔らかく包むように』
人の判断がそこに介在していることも、
確かにあるのだと思う。
今回も、軽油という揮発性の低い燃料で
あり、風のない日陰のような環境だった
こともあって、それは『許される範囲』
での、黙ってくれた優しさだった。
その一言には、どこか
『心の余白』があるような、
マニュアルには書いていない、
人としての『そっと寄り添う気持ち』
暑さの中に、誰かの小さな思いやりが
いくつも、そっと散りばめられていて。
それにふれた瞬間.....
またひとつ、この世界が好きになった
ような、
なので、皆さんにも!?
ちょっぴり優しい気持ちのお裾分け♪
なんて、ね。(笑)
露花♪仁(じん)
仁の写メ日記
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黙って、でも確かに...優しさがそこにあった。仁