露花

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仁の写メ日記

  • 『あえて繋がらない』
    『あえて繋がらない』

    朝、目覚まし代わりのスマホに手を
    伸ばし、そのままSNSをひと巡り。


    通勤中も、仕事の合間も――
    ふと気がつけば、また画面を見つ
    めていて。

    夜は動画をぼんやり眺めながら、
    そのまま眠りについている…。


    いつの間にか、スマホは
    時計にも、カメラにも、地図にもなっ
    て、ちょっとした灯りにさえなる。

    “便利な相棒”として、僕たちの生活
    に欠かせない存在になりました。


    でも――
    ほんの20年前、たった一台の端末が
    ここまで日常のすべてを担うなんて、
    誰が本気で想像していたでしょうか。


    暮らしが豊かになる一方で、
    その“便利さ”が当たり前になるほどに、
    少しずつ、心の余白が削られていく。 


    たとえば――
    一日を終えて、ようやく目を閉じよう
    とした瞬間、スマホに通知が…未読の
    LINEが3通。

    『ちょっと見るだけ』のつもりが、
    気づけば頭が冴えて、眠れないまま
    時間だけが過ぎていく。


    そんな夜、ありませんか?


    睡眠の専門家は言います。
    “穏やかに心を整えてから眠ること”が、
    何より大切だと。


    でも実際には、光る画面の中で、
    あふれる情報に心がざわついて、
    僕たちは気づかないうちに“疲れている”
    のかもしれません。


    SNS、メッセージ、通知、メール…
    いつでも誰かと繋がれる時代だからこそ、
    ふと、自分の呼吸が浅くなっているのを
    感じたりして。


    僕も以前、スーパーでの買い物リスト
    をスマホのメモに書いていました。

    忘れないし、追記もできる。
    とても合理的です。


    でも――
    買い物カゴを手に歩いている最中に、
    通知が雪崩のように届くと、

    『あ、あとで返信しなきゃ』
    『この件どうしよう…』
    そんな雑念が入り込んできて、

    気づけば“今ここ”から意識が
    離れてしまっている。


    ふと立ち止まって、
    『あれ?何を買いに来たんだっけ?』
    ――そんな自分に苦笑する。

    もちろん、テクノロジーの恩恵には
    感謝しています。暮らしを支えてくれる
    大切な道具だから。


    けれど、どこかに
    “心のスペース”を置いておける場所も、
    必要なんじゃないかと。

    だから僕は、買い物メモを“紙”に
    戻してみました。そして、近所のスーパ
    ーくらいなら、スマホもあえて家に置い
    ていくことにしたんです。


    すると、不思議なことが起こりました。


    手書きのメモを片手に歩く道すがら、
    なんだか少し、懐かしくて。通知に邪魔
    されることもなく、頭の中がすっと整っ
    ていく。

    ふと見上げた空に、
    『あ、今日は風が気持ちいいな』って
    思えたり、

    通りすがりのいつもの町中華の大将に
    『こんにちはー!!』って挨拶できたり、

    レジ横の季節の果物に、ほっこり
    と心が和んだり。


    たったこれだけのことなのに――
    “自分”を取り戻せる時間が、そこに
    はちゃんとあった。

    日常は、気づかぬうちに
    “つながること”に追われているけれど、
    本当に必要なのは、

    “自分とつながる静かなひととき”
    なのかもしれません。


    もちろん、仕事柄『いつでも連絡が
    取れるようにしておきたい』という方
    も多いでしょう。

    そんな時は、紙のメモに
    『今日は◯◯さんから連絡が来るかも』
    なんて、本当に大切なことだけを書き
    留めておく。


    僕もスマホが手放せない日があります。
    だからこそ、そういう日は“ポケット
    から出さない”って、自分で決めてお
    くんです。

    実は以前、メモにこんな風に書いた
    こともあります。『スマホ見るな!たい
    して困らへんて』って(笑)


    これは、この仕事を始める前の
    話なんですが――


    ある日うっかりスマホを忘れて家
    を出てしまって。気づいた瞬間、
    『取りに戻ろうか…』と一瞬悩んで、

    でも“面倒くさいな”のひと言
    で諦めたんです。笑

    深呼吸して思い直したんですよね。
    『予定はタブレットと共有してるし、
    最悪ガラケーがあれば何とかなる
    やろ...

    いや、何かあっても"スマホ忘れ 
    てゴメンやで”で済むやろと。』笑


    結果的に、その日は何事もなく、
    むしろ心が軽やかだった。

    『あれ?意外と、大丈夫やん』って
    思えた日でした。


    どこまでも繋がれる時代だからこそ、
    “あえて繋がらない”時間に、僕たちの
    本来の心の在り方が映し出されるのか
    もしれません。


    何かに追われるように情報を追い
    かけるよりも、何もしない静けさの
    中でこそ、


    心はふっとやわらかくほどけていく。


    スマホを閉じて、ほんの数分だけ
    でも“自分の心”に立ち返ってみる。
    それはきっと、慌ただしい日常の中
    で失いかけた感覚を取り戻す、
    小さな入り口。

    情報を断つことは、
    不安ではなく、“選択”なんです。


    今日という一日のどこかに、
    そんな“静かなひととき”が
    訪れますように。



    露花 仁(じん)