仁の写メ日記

連休明けの朝。
目覚ましの音に追われるように起きて、
慌ただしく支度をして、無表情のまま
電車に乗りながら、


『頭ではわかってる。仕事があるって、
ありがたいこと。みんな頑張ってる。』


そんなことは、もう何百回も自分に
言い聞かせてきた。


でも、心のどこかでは――
『今日もまた、私じゃない誰かを演じるのか…』
そんな小さなため息が、胸の奥に溜まっていく。


それでも、笑顔で出社する。
電話を取り、指示に従い空気を読んで気を回す。
『優秀で、感じの良い人』――


周囲から見える“仮面の自分”を、
今日も上手に演じる。


だけど、本当の私は…？
心が乾いているのに、誰も気づかない。
いや、気づかれないように、私が隠して
いるんだ。


だけど――
心のどこかに、ひとつだけ“光”がある。


『次の夜、あの人に会える」』
それだけで、なんとか今日も踏ん張れる。


職場では話せないことを、
言葉にしなくても、ただわかって
くれる人がいる。


ひとりの“女性”として、
見つめてくれる時間がある。


そう思えるだけで、目の前の
世界は少し、優しくなる。


…貴女を、優しく、そっと包み込む。
いつでも心で感じられる存在。


貴女の心には――いらっしゃいますか？




露花　仁（じん）