前から気になっていたBARがあって。
たまたま近くに来たので、ふらっと足を
運んでみることに。
お店のドアを開けると――
目まぐるしく行き交う“人”。
雑踏と喧騒…
『ん?ここってクラブだったっけ!?』
コンマ0.5秒で、全細胞が拒絶反応(爆)
なんだろう…
急にどっと疲労感が押し寄せてきてw
肩にずしんと“重り”が乗ったような感覚…
すると店員さん、
『いらっしゃいませー!窓際のテーブル席、
空いてまーす!』
…その威勢の良さ。
なんというか、
“鮮魚市場感”がハンパ無い(苦笑)
悪気が無いのは、わかる。
喧騒で声を張ってるのも、わかる。
でも――
『ちがうんだぁぁあああ!!』
☝️
心の中で、静かに絶叫(笑)
僕:
『すみません、またの機会に
お邪魔させてください』
…と、その場を後にした。
外の空気に触れて、
『ふぅ…』 少しだけ、安堵。
これも来てみなきゃわからない、
リアルな現実。『フフ、だからこそ、
面白い。』――妙なポジティブシン
キング発動中w
『もうこうなったら、今日は…
“ここや!”ってお店に出会うまで、
歩いたるわ!』
そんな勢いで近くを散策。
ある雑居ビルへ。
エレベーター…壁と同化しすぎて
一瞬戸惑う(忍者か)でも、目的の
BARは2階だと書いてある。
到着。
お店の看板はしっかり確認できた。
入口前のちょっとしたスペースには、
ワインやウイスキーの空瓶たちが
センス良く、お洒落にディスプレイ
されていて――
少しテンション、上がってきた…かも。
重厚な扉を開けると――
薄暗い店内。
なのに、不思議とやわらかく、
あたたかい空気が流れていた。
その雰囲気そのままのマスターが、
カウンターの奥から顔を覗かせて、
笑顔で迎えてくれる。
『やった…当たりや』
心の中で思わず、静かにガッツポーズ。
カウンターでは、常連と思しき女性
がひとり、ウイスキーをゆっくりと
傾けていた。
その姿もどこかシックで、
お店の雰囲気に、ふわりと溶け
込んでいて――
『ああ、ここなら。』
女性がひとりでも、ふらっと立ち寄れる
理由が分かる気がした。
うまく言葉にできないけど…
妙に安心する、この感じ。
店内をそっと照らしているのは、
昔ながらの“裸電球”の間接照明。
ぼんやりとした灯りが、グラスの
氷に反射して、ゆらゆらと揺れている。
オススメのウイスキーをロックで。
そのすぐあとに届いたチェイサー。
グラスが並んだ瞬間、思わずニヤけて
しまった自分がいる。
『…求めてたのは、これや!(涙)』
さっきまでの“鮮魚市場クラブ”
が、なんだか遠い昔の出来事に思え
てくる(笑)
でも、あの場違いな喧騒があった
からこそ、この静けさにたどり着け
たわけで――そう思えば、あの失敗
も愛おしい“前フリ”やなって。
たった一杯でも
それだけで、こんなにも整う夜が
あるなんて。
グラス越しに聞こえてくる、
氷のかすかな音。それがまるで――
今日一日の“ごほうび”みたいに、
胸に染み込んでくる。
この店、また来よう。
...連れて来たくなる日が
ある気がするから。
露花 仁(じん)
仁の写メ日記
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『行き当たりばったりの夜に... 導かれた隠れ家。』仁