-Kuro’s Diary-
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著者:くろ
出版社:Story
※あくまでフィクションです。物語としてお楽しみください٩( ’ω’ )
『ほのぼの短編小説』-“当たり前を当たり前と思わない事”
ある静かな町の片隅に、小さなカフェがあった。カフェの名前は「ビタースイート」。オーナーのA子は、毎日朝から晩まで忙しく働いていた。彼女はコーヒーを淹れるのが得意で、常連のお客さまたちに愛されていた。
ある日、カフェに一人の男性が入ってきた。彼の名前はB君。新しくこの町に引っ越してきたばかりで、近所のカフェを探していた。彼はメニューを見ながら少し戸惑っていたが、A子の優しい笑顔に心が和らいだ。
「いらっしゃいませ!今日は何にしますか?」とA子が尋ねた。
「うーん、迷いますね。おすすめは何ですか?」
「そうですね、当店のカプチーノはとても好評ですよ。」
「じゃあ、それをお願いします。」B君は頷いた。「最近、引っ越してきたんです。」
「そうなんですね。この町はいかがですか?」A子は興味津々で尋ねた。
「まだあまり分からないですけど、人は温かいですね。」B君は微笑んだ。
それからB君は毎日カフェに通うようになり、A子とも自然に会話をするようになった。次第に、彼らの間には小さな友情が芽生えていった。
数週間後、カフェはすっかりB君の日常の一部になった。彼はA子に時折、自分のことを話すようになった。ある日、彼は意を決して言った。
「A子さん、実は僕、恋愛について悩んでいることがあるんです。」
A子は驚いたが、嬉しくもあった。「そうなんですか?何かお手伝いできることがあれば言ってください。」
「僕、特別な人を見つけるのが難しいと感じていて……。恋愛って、すごく当たり前のことだと思っていたけど、実はそうじゃないって気づいたんです。」
A子は彼の真剣な表情を見て、思わず微笑んだ。「愛は簡単ではないよね。けれど、当たり前のことの中に本当に大切なものが隠れていることもあると思うよ。」
その言葉が、B君の心に響いた。彼はその後、A子との普通の会話の中に、愛のヒントを見つけるようになった。彼らの友情は深まり、互いに支え合う存在となった。
ある日、B君は思い切って告白することに決めた。彼はカフェに向かい、A子が淹れた最高のカプチーノを飲みながら、心を落ち着けた。
「A子さん、僕はあなたが好きです。あなたと居ると、当たり前のことがどれだけ特別か気づかされるんです。」B君は少し緊張しながら言った。
A子は驚きながらも、心が温かくなった。「私もB君といると、毎日が特別なものに感じるよ。」
こうして、B君とA子は恋人同士になった。彼らはお互いの存在を当たり前だと思うのではなく、大切な特別なものであると感じるようになった。
恋愛は簡単ではないけれど、時には身近にある当たり前の中に、もっと大きな愛が隠れているのかもしれない。そして、それを見つけることこそが、真の幸せなのだと彼らは理解した__。
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くろの写メ日記
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【ほのぼの短編小説『当たり前を当たり前と思わない事』】くろ