-Kuro’s Diary-
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
著者:くろ
出版社:Story
※あくまでフィクションです。物語としてお楽しみください٩( ’ω’ )
『ほのぼの短編小説』-“価値観の交差点”
ある静かな町に、若いカップルが住んでいた。
A君は非常に理論的で、未来を見据えた計画を立てるのが得意な性格。一方、B子は感情を大切にするタイプで、直感的に物事を判断することが多かった。
ある日、二人は将来についての話を始めた。
A君は「5年後には安定した職に就いて、家も買って、結婚しよう」と具体的なプランを語った。
それに対して、B子は「私は今を大切にしたい。旅をしたり、新しい経験をすることが大事だと思う」と答えた。
最初はこの価値観の違いが、二人の関係に小さな亀裂を生むとは思っていなかった。
しかし、日が経つにつれて、A君はB子の「今を楽しむ」姿勢に不安を覚え、B子はA君の堅実さに息苦しさを感じるようになっていった。
ある晩、A君はB子に問いかけた。
「君は本当に未来を考えているの?」
その言葉は、B子の胸に刺さった。
「私だって未来を考えている。でも、それは無理に計画することじゃない。もっと自由に、手探りで進みたい。」
二人の意見は平行線を辿り、議論はどんどんエスカレートしていった。
とうとう、そんな日々に耐えかねたB子は、しばらく距離を置くことに決めた。A君は戸惑いながらも、彼女の選択を尊重することにした。
数週間後、B子は一人で小旅行に出かけた。
そこで彼女は、自然の美しさや地元の人々との触れ合いを通じて、多様な価値観を体験した。
帰宅後、B子はA君に手紙を書いた。
「私が出会った人々は、何気ない瞬間を大切にしていた。あなたが描く未来も素敵だけど、私たちにはそれぞれの道があるのかもしれない。」
一方、A君もまた、この期間を通じて考えが変わった。
彼はB子のことを思い、「計画することだけが幸せではない」と気づいた。彼はB子と向き合う勇気を持つことに決めた。
数日後、再会した二人は、お互いの空白の時間を尊重しながら、新しい価値観を受け入れることにした。
「未来を見据えつつ、今を楽しむことも大事だよね」
とA君が言うと、B子は微笑んだ。
「そう、私たちの間には、バランスが必要なんだ。」
二人は新たな理解を得て、未来へと歩き出した。
その日から、二人は「価値観の交差点」と呼ばれる場所に出かけるようになった。お互いの価値観を理解し合うために、新しい経験を共有しながら。
こうして、A君とB子の関係は、ただ固い計画や無邪気な感情だけではなく、互いを受け入れることで深まっていった。人生の旅は続き、二人はそれぞれの価値観を大切にしながら、共に成長していったのであった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
くろの写メ日記
-
【ほのぼの短編小説『価値観の交差点』】くろ