「帰りたくないって思ったの、いつぶり?」
鍵のかかる音。
しんとした室内に響く、小さな吐息。
ふとした沈黙が、甘くてくすぐったい。
“恋愛じゃないけど、特別”
そんな関係の中で交わされる夜って、どこか現実じゃない気がしてくる。
触れた指先、肌を滑る視線、何も言わなくても伝わる熱。
目と目が合って、ふいに距離が詰まる瞬間。
あなたの鼓動が、少し早くなるのがわかる。
「まだ帰したくない」
その言葉に込めたのは、欲じゃなくて“余韻”。
もっと感じてほしい、もっと甘やかされてほしい。
まだあなたを、俺の世界から帰したくない。
押し倒すでもなく、急かすでもなく、
ゆっくりと、確かめるように時間を重ねて、
最後には、呼吸が溶け合っていくような満たされた夜にしたい。
その夜を思い出すたびに、
あなたの中のどこかが疼くような、そんな“記憶”を残したい。
そして帰り際には、あえて何も言わず、
そっと唇だけを重ねる。
「また来たい」と思わせる魔法って、
静かな余韻の中にこそ、あるんだと思う。
けんごの写メ日記
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官能小説8けんご