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けんごの写メ日記

けんご

けんご  (39)

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  • 官能小説8
    けんご
    官能小説8

    「帰りたくないって思ったの、いつぶり?」

    鍵のかかる音。
    しんとした室内に響く、小さな吐息。
    ふとした沈黙が、甘くてくすぐったい。

    “恋愛じゃないけど、特別”
    そんな関係の中で交わされる夜って、どこか現実じゃない気がしてくる。
    触れた指先、肌を滑る視線、何も言わなくても伝わる熱。

    目と目が合って、ふいに距離が詰まる瞬間。
    あなたの鼓動が、少し早くなるのがわかる。

    「まだ帰したくない」
    その言葉に込めたのは、欲じゃなくて“余韻”。
    もっと感じてほしい、もっと甘やかされてほしい。
    まだあなたを、俺の世界から帰したくない。

    押し倒すでもなく、急かすでもなく、
    ゆっくりと、確かめるように時間を重ねて、
    最後には、呼吸が溶け合っていくような満たされた夜にしたい。

    その夜を思い出すたびに、
    あなたの中のどこかが疼くような、そんな“記憶”を残したい。

    そして帰り際には、あえて何も言わず、
    そっと唇だけを重ねる。
    「また来たい」と思わせる魔法って、
    静かな余韻の中にこそ、あるんだと思う。