昔付き合ってた人と、よく喧嘩してた。
大きいのも小さいのも含めて、ほんとによくぶつかった。
でも、
自分にとって“喧嘩できる関係”って、実はもうその時点で特別だった。
だって、おれは基本的に、感情を表に出すのが得意じゃない。
合わないなと思ったら、あっという間に距離を取ってしまう。
誤解だと言われても、その“すれ違った瞬間”で心のドアは閉まってしまうタイプだから。
だからこそ、喧嘩になるってことは、
その人にだけは、自分の“怒り”や“傷つき”をぶつけてもいいと思えていた証拠だった。
でも、それがまったく伝わらなかった。
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相手にとっては、おれの言葉はただの棘だったのかもしれない。
不機嫌とか、攻撃的とか、そう受け取られていたんだろう。
本当は、もっとちゃんと話したかった。
わかり合いたかった。
でも、うまく言葉にならなかった。
「なんでそんな言い方するの?」
「どうしてそんなに怒るの?」
そう言われるたびに、
**“ああ、この人には届かないのかも”**って、胸の奥がズンと重くなる感覚があった。
おれにとっては、感情的になること自体が特別なことだったのに。
その“感情を見せられた相手”だったのに。
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多分、おれの中にある回避型の気質って、
誰かと深くなる手前で、そっと引いてしまう癖でもある。
でもあの時だけは、引かずにちゃんと向き合ってた。
ぶつかってた。
喧嘩してた。
だから余計に、その想いが伝わらなかったことが、今でも少しだけ苦しい。
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あれから時間が経って、
おれも少しずつ“伝え方”がうまくなったと思う。
喧嘩にならなくても、
ちゃんと「こう思ってる」って言葉で伝えられるようになってきたし、
感情を出すことが、“相手への信頼の証”なんだってことも、
ちゃんと伝える努力をするようになった。
でも、あの頃はまだ、
「ぶつかることが愛情の証」だと、
自然にしか表現できなかったんだ。
⸻
いま、あの人がどこでどうしてるかは知らない。
でも、願わくば──
いつかどこかで、
**「あの喧嘩は、本気で向き合ってたからだったんだな」**って、
ふと思い出してもらえると嬉しい。
届かなかったけど、
本気だった。
ただ、それだけのこと。
MUSASHI
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MUSASHIの写メ日記
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【喧嘩できた相手だったのに、伝わらなかった。】MUSASHI