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こないだお会いした60代の女性が、
昔、旦那さんから言われた「で?」という言葉がすごく苦手だと話してくれました。
そのとき彼女は、
僕に対してもどこか“仕返し”のように、何度もその言葉を繰り返していました。
「わたしの話、また途中で切られるんじゃないか」
「また、理解されないんじゃないか」
そんなふうに、心のどこかで僕を試していたのかもしれません。
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でも正直に言えば、
彼女の話はどこか支離滅裂で、
途中で「えっと、今何の話だっけ?」と頭が混乱することもありました。
それでも——
僕の中にはこんな思いが生まれました。
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ああ、この人は、話の内容を聞いてほしいんじゃなくて、
話している“気持ち”をまるごと受け止めてほしかったんだな。
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話がまとまってなくてもいい。
結論が出なくてもいい。
それでも「うん、そうだったんですね」と頷いてくれる誰かがそばにいたら、
人は、安心できるんだと思います。
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「で?」というたった一言に、
どれだけの寂しさや悔しさが詰まっていたのか。
彼女はもう何十年も、その言葉に縛られていたのかもしれません。
そして僕は、
その痛みのほんの端っこにだけ、
そっと触れさせてもらった気がしました。
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もし、同じような気持ちを抱えている人がいたら、
それはきっと、まだ誰かにちゃんと“聞いてもらえていない話”が、
あなたの中に残っているのかもしれません。
ここでは、
そんな話も、ぜんぶ持ってきてくれていいんですよ。
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いつも読んでくれてありがとう(*^^*)
MUSASHI
MUSASHIの写メ日記
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【「で?」と言われたあの日から、止まっていたもの】MUSASHI