撮影のあと、彼が語ったこと。
── とある“初々しい女優さん”との出会いから。
カメラが回る前、彼女の表情には緊張がにじんでいた。
始めたばかりの、どこか初々しさの残る女優さん。
初対面の相手と肌を重ねる現場、しかもスタッフ数名が見守る中。
無理もない、と彼は静かにそう話す。
「だからまずは、リラックスしてもらいたくて。マッサージの流れを提案させてもらいました」
実は彼女、普段からよくマッサージを受けているのだという。
その嬉しそうな反応に少しほっとして、施術を始めた。
凝りをほぐしながら、感度の高まる部分に触れていくと、
呼吸がゆっくりと変わっていった。
少しずつ、空気がやわらかくなっていく。
「きっと彼女も“この後どうなるんだろう”って思ってたはず。
でも想像と違う心地よさに、戸惑いながらも素の笑いや照れが少しずつ見えてきて。
それがね、すごく印象的だったんです」
手のひらを通して、彼女の気持ちが少しずつほどけていく。
言葉は少なくても、触れ方や呼吸のリズムで、気持ちが通じ合っていく感覚。
その一瞬一瞬に、心が動いたという。
「僕も最初は探り探りで…どんな声のトーンで話しかけたら安心できるかな、とか考えてました。
でも、触れながら感じた“ニーズ”にちゃんと応えていけたとき、
表情がふっとやわらかくなって。
言葉がなくても、信頼の温度って上がっていくんだなって思いました」
演出よりも、人としてのつながりを大切にする。
それは彼の普段の施術スタイルにも通じているのかもしれない。
「プレイのことよりも、実はずっと気にしていたのは室温と水分補給で。
聞いてたんですよ、撮影中は冷えちゃうって。
スタッフさんたちにとってはちょっと暑かったみたいだけど、
裸の二人にはちょうどいいくらいの快適さをキープしたくて」
ふたりだけの温度、ふたりだけの空気。
その中で、少しずつほどけて、重なって、通い合ったもの。
カメラに映らないやさしさが、きっと画面の外にも、じんわりと滲んでいる。
「この作品を通して、見てくれた人に“こういう風に優しく包まれる体験って、自分にもあるのかな”って思ってもらえたら嬉しいです。
女風のご利用って、すごく勇気が要ることだと思うんですよね。
こうしなきゃ、こうでいなきゃ、って思い込みすぎずに…一回ぜんぶ脱ぎ捨てて、オール脱力してもらえたら。
そんなメッセージも、少しだけ込めたつもりです」
インタビューの最後に見せてくれた一枚の写真は、3時間に及ぶ撮影の直後に撮られたもの。
表情には少しの放心と、大きな達成感がにじんでいた。
「正直、よく覚えてないくらい疲れてて(笑)。でも“頑張った自分”を残しておきたくて、思わず撮ったんだと思います。
今回は増量して脂肪たっぷりの状態から、2ヶ月くらいかけて緩やかに減量して、少し日焼けもして。
居酒屋で一人打ち上げでもしようかと思ったけど…来月はまた外国人フォトグラファーとの撮影があるので、そこは我慢しました(笑)」
作品が終わっても、身体はまた次の表現に向かう。
“女性の心と体を優しく包む”というテーマは、女風でも、映像の中でも、彼の中で同じ重みを持っているようだった。
「今回、ディレクターさんから“期待以上だった”って言っていただけて、とても嬉しかったです。
これからも、性的な表現の場でも、女風の現場でも、誰かの役に立てたらと思ってます」
静かな情熱と丁寧なまなざしで、
目の前の誰かに真っすぐ向き合おうとする姿勢が、
とても印象的でした。
きっとこの人に触れた人は、心まであたたまるはずです。
MUSASHIの写メ日記
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【撮影のあと、彼が語ったこと】MUSASHI