トラウマは無くならない
ただ形が変わるだけ
施設での食事には
いくつものルールがあった
話してはいけない
残してはいけない
時間をかけてはいけない
かなりの幼少期にいた施設では
お弁当を貰い幼稚園？保育園？
に通っていた
そのお弁当には
だいたいいつも梅干しがはいっていた
僕はそれがとても嫌いで
いつも捨てていた
小便器に捨ててオシッコをかけてあげていた
コロコロと転がるそれが
僕はとても好きだった
ざまーみろってね
梅干しはとても存在感がある
あいつらはご飯にその思い出を残していく
赤の色とあの味をしっかりと
そこの先生はとても優しくて
いつもふりかけをくれた
思い出を消し去ってくれるから
梅干しを捨てていたのは
その施設がとても甘かったから
優しかったから
その後の施設がヤバかった
普通に虐待があった
怖かった
皆んな怖がっていた
僕も怖かった
梅干しを毎日ポイ捨てして
それにオシッコまでかけていた僕が
完全に怖がっていた
毎日
嫌いなことは沢山あった
一番が食事だったと思う
話してはいけない
残してはいけない
時間をかけてはいけない
僕は今でも、人からびっくりされるほどに
早食いである
流石に仕事での食事では気をつける
相手にできるだけ合わせようとする
気を抜くとびっくりさせてしまうから
残してはいけない
がとてもキツかった
僕はほとんど生まれながらに
美食家だった
好き嫌いがかなりあった
梅干しもそう
一番嫌いだったのが
マヨネーズ
ミックスベジタブルをマヨネーズだらけにしたやつが本当に本当に嫌いだった
いや、マヨネーズにミックスベジタブルを振り掛けたのかな？
ってくらいだった気がする
当然、残してはいけない
ルールとは絶対だから、ルールなのである
泣きながら食べていた
食べていた？
いや口に押し込んでいた
押し込むから、出てこようとするんだ
出てきては絶対にダメだから
出てこようとするそれらを必死にまた押し込む
僕は今でも
マヨネーズが食べれない
食べたら、吐く
具合も悪くなる
僕は卵が大好きで、油ものも大好き
オイルなんて多ければ多いほどいい
マヨネーズは卵とオイルと酢
それだけ
原料なんて問題ではない
問題は別にある
あの記憶を口の中が覚えているのだ
普通にさ
もうさ
マヨネーズのあのボトル
ムカつくもん
なんだよあの色合い
赤とクリーム色？にワガママボディ？
クソが
定食屋とかたまーに置いてあるじゃん
バカかよ
ぶっ飛ばすぞ
トラウマは無くならない
ただ形が変わるだけ
形ってなんだろうね
記憶は触れていると
触れただけ
濃くなる
鮮明になるのではなく
濃くなる
形をもつ
輪郭みたいなもんが勝手に出来上がる
それが意味を含みはじめる
意味を持たせているのは
自分自身なんだよね
いつだって
いつまでも
大和 尊の写メ日記
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マヨネーズ大和 尊
