【ノルウェイの森】- 大和 尊(GLUTTONY)- 出張ホスト

大和 尊の写メ日記

  • ノルウェイの森
    大和 尊
    ノルウェイの森

    【読書感想文】


    これはエロ本です

    エロとは生き様です

    これは生き様の物語です


    主人公はゼロのひと
    生きたくも死にたくもないひと
    息をしているだけの日々
    今どこにいるのかさえ分かっていない
    ゼロ。スタートでもゴールでもない
    始まっても終わっても途中でもない


    そんな【ゼロ】と、3人の女性たちとの体の接触と心の接触の物語



    ・弱い女性
    ←死にたいだけ、理由もあやふや
    死にたい理由、生きたくない理由
    それを主人公と交わることでみつける

    女性像
    くすくすと笑うひと
    哀しそうに微笑みながら
    おそろしく乾いた声で
    『分かって欲しい』と言い、本心では分かってもらいたくない矛盾
    自分がいつか忘れられることを知っていて、『忘れないで』と願う傲慢
    矛盾と傲慢と痛みを携えた、誰かに愛されたいだけのひと



    ・強い女性
    ←一生懸命に生きている
    生き生きと生きているひと
    幾つかの弊害を諸共せずに、突き進む

    女性像
    にっこりと笑うひと
    背伸びをし続けて、生きてきた
    たまにアキレス腱は悲鳴をあげるけど
    悲鳴を【応援】だと捉えられるひと
    肯定力の塊、少しの小言を言いながら全力でひとを肯定する
    そして少しだけ臆病だから、わがままの振りをしている

    応援と肯定と臆病を持った、ひとを愛してあげたいひと



    ・強くて弱い女性(引き立て役?導き役?)
    ←おれは一番好き(主観)
    過去に生きているひと、囚われているひと
    皆んなの先生であり、友人である

    女性像
    顔中のしわをやさしく曲げて笑うひと
    音楽の先生。音を楽しむと書いて音楽
    『楽しむ』を教えてくれるひと
    ついつい何でも知ってる気がして、尋ねると
    分からないことには『分からない』と答えてくれるひと、説得もしないし注目を集めようともしない
    ただオシャレなひと、生き様が


    主人公はそんな人たちと接触をして、その度にその人に寄っていく、引っ張られる
    【ゼロ】だから

    会話の先に交わりがあり
    交わりの先に何かがあった
    心を交えた先の、体の接触を交わりという
    交わるとは挿入のことではない
    ましてや射精でもない、絶頂でもない

    手で導くそれに心が交われば
    それは本物だし
    口づけだって本物となる


    マイナスとの交わりの後にはマイナスに
    プラスとの交わりの後にはプラスに
    プラスマイナスとの交わりでは
    答えに近づく、ゼロに戻る

    答えとは正解ではない
    でも息をしていただけの日々から
    生きている日々へと進みだす


    エロとは生き様であり人生であり
    その人自身である


    自分に同情するな

    それは下劣な人間のやることだ

    下劣とはなんですか?
    人間とは誰ですか?


    自己肯定とか自己犠牲とか
    自分に己なんて言葉がついてるけど
    それらは他者がいて初めて成り立つもの
    もっと言えば
    他者とは親愛なるものを意味する


    愛とはなんでしょうか?

    愛されたいとは、愛したいとは
    なんでしょうか?
    どっちをすれば、ひとは満足するのでしょうか?

    この疑問符は、正解なんて聞いてない

    答えが欲しい
    答えが欲しくて生きる

    ひとは生きるしかない

    息をしているだけでは
    生きてはいない

    酸素をとりいれて、二酸化炭素をだす
    そんなことに疑問を覚えて、悩んで
    ついでに愛とかにも思いを馳せて

    そんな面倒を背負い込んで初めて
    ひとは生きているといえるのだろう




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