なんてことない時間だった。
ただみんなで、海を歩いてただけ。
ふざけあって、笑って、少し黙って。
沈む夕日に照らされながら、
誰も「終わり」のことなんて考えてなかった。
でもきっと、こういうのが青春ってやつなんだと思う。
形に残らなくても、
足跡が波にさらわれても、
この日の空と、みんなの背中は、ちゃんと覚えてる。
帰りぎわ、ぽつりと誰かが言ったひと言が、
なんだかやけに印象に残ってる。
はっきり聞こえたわけじゃないけど、
たぶん、またこうしてみんなで行ける気がした。
世良 葵の写メ日記
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「波の音が、笑い声にまぎれてた」世良 葵