こんばんは、五十嵐です。
今宵は僕の過去の実体験の話をしたいと思います。
高校生になり中型免許取り立ての僕は、
買ったばかりのバイクで友達とO市の山奥のダムへ行くことになりました。
途中でトンネルがそこにあり、
その中を通過しようとしたその時、
トンネルの真ん中あたりでエンジンが止まりました。
ガソリンも道中で入れたばかり。
手元のスターターで何度かけてもかからず、前を走ってる友達二人は気づかずそのままトンネルの外へ。
バイク乗った事ない方もいると思うので説明しますが、
最悪エンジンがどうしてもかからない場合、押しがけ
（その名の通り、手で押しながらかける方法）があるのですが
それでもかからない。
やむを得ず、20mくらいを手で押してトンネルを出ました。
トンネルを出たところで、
ダメ元で手元のセルで再度エンジンを掛けたら
いとも簡単にエンジンスタート。
急いでバイクに飛び乗り、先を走ってる友達を追いかけました。
ところが山の1本道なのに全然追いつかず
僕はどんどん山の奥へと向かっていきます。
10分くらい追いかけた所でしょうか、
デニムのポケットにある携帯が鳴っているのに気づきます。
パニックの為に携帯電話の存在を忘れていたようです。
着用は友達のHくんからでした。
慌てて通話ボタンを押し、
五十嵐『 おい、どこいっちゃったんだよ！置いていくなんて酷くないか！？』
H『 え？もう麓のコンビニまで来ちゃったよ？お前もう帰ったんじゃないのか？』
全く会話が噛み合わす、
喧嘩っぽくなりそうになったところで電話を切り麓のコンビニに向かいます。
何とか合流し、
コンビニの前で話を聞いたところ
衝撃の事実が。
トンネルをでてしばらく走ったところでもう1人の連れのYが、
五十嵐が居ないことに気づいたそう。
電話をかけたが圏外で、
仕方なく引き返したところ僕と一切すれ違わなかったので、
勝手に帰ったのかと判断したそう。
ここまでで、おかしな点が2つ。
・街灯もポツポツある山の一本道で、すれ違わないわけが無い。
・世界に誇る、HONDAの新車が
そうそうエンストはしない。
（後日、ショップに見せたら以上なし）
もやもやしながらその日は帰宅しました。
後日わかった事なのですが、
そのトンネルは全国でも有名な
都内某所の心霊スポット。
当時はネット文化ではなかったので全て人から聞いた話ですが、
赤ちゃんを抱いた女の人が歩いてるだの、
心霊写真が撮れるだのの噂が絶えない場所だったみたいです。
そしてしばらく経ったある日の事、
もう1つの衝撃の事実を知人から聞くことになります。
その何日か前に、
トンネルを出た付近でバイク事故があったそうです。
トンネルを出たところのカーブを曲がりきれず、谷に転落したとかで。
もしかしたら、
強制的にスピードを落とすために
亡くなった方が僕に教えてくれたのかも知れません。
『 あんまり飛ばすと死ぬよ』
って。
当時考えたらゾッとしましたが、
こうして今、
生き永らえているという事を考えたら、
もう感謝しかありません。
どうかご冥福をお祈りします。
五十嵐 清隆
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