人は他人の強さに惹かれる──
そして自分も強くありたい、そう願う。
だが、
人の弱さのようなものに触れたとき、
不思議とそこに惹きこまれる自分がいることに、
ふと気づく。
完璧な美しさは、確かに目を惹く。
隙のない立ち姿、迷いのない言葉、
揺るがぬ自信。
でも、強さばかりが続くと、
どこかで息が詰まるのもまた事実だ。
ふと見せる素顔。
意外なほど不器用な仕草。
自信と不安のあいだで揺れる目。
そこにこそ、その人だけの人間味が滲む。
そしてその「隙」に、
こちらの心も優しくほどけていく。
完璧な振る舞いは、ときに相手を委縮させる。
少し照れたり、素直になれずに言葉を探したり。
そんな一瞬に、距離が縮まることがある。
強くあろうとするのは美しい。
けれど、弱さを隠さずにいられる人はもっと、美しい。
その“見せ方”ではなく、“見えてしまう”弱さにこそ、
抗えない色気が宿るものだ。
何を隠そう、
僕は周囲に公言するほどの不器用人間である。
でも信じてもらえないことが多い。
それは無意識に自分が不器用なことを
隠しているのかもしれない。
でも本当は、器用さを演じない不器用な自分でいる方が、
ずっといい。
おそらくその弱さにこそ、僕なりの魅力が宿る。
少しだけ不器用な自分を許す──
そのほうが、
あなたの心に、ずっと近づける気がするから。
秋山 純士の写メ日記
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『弱さに宿る色気』秋山 純士