満月の夜。
月明かりが濃くて、
影がやけにくっきりしていて、
その夜の輝きに一瞬、心を奪われる。
満ちきった月は、美しい。
けれど、どこかでこうも感じる。
「もうこれ以上、足すものがない」
恋愛で、満ち足りた状態。
満たされるほど、
心のどこかにざわめきが生まれる。
この幸せは続くのか。
この人といるのは正解なのか。
異性と過ごす時間。
互いに満ち足りているようでいて、
同時に「この夜は二度と訪れない」という
小さな寂しさと儚さが心の片隅に灯る。
だからこそ、その夜だけの“光”に価値がある。
もう「満ちている」と感じるのか。
何かが「足りない」と感じるのか。
見ているもの、
触れているものは一緒のはずなのに、
感じ方はそのタイミングで変わる。
満たされているときは、
とことんその満ちに心を預けても良い。
満ちているときの残像。
一瞬見えなくなっても、そこには何かが“在る”。
満ち欠けは繰り返しても、
それは心に見えているか見えていないか、
それだけの話なのだから。
秋山 純士の写メ日記
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『満月を、いつもこころに』秋山 純士