目に見えるものは、わかりやすい。
数字、データ、肩書き、成果。
それは誰かに説明するのに便利だし、
安心もする。
けれど、
それだけで世界を語り切れるだろうか。
空気に漂う匂い。
誰かとすれ違ったときの、微かな気配。
音もなく立ち込める緊張感。
なぜだかわからないけれど、
「イケル」と思える確信。
それらはどれも、目に見えない。
だが、確かに“在る”。
目に見えないものは、ときに怪しまれる。
「スピリチュアルだ」「非科学的だ」と。
しかし、
人間がまだ言語化できていないものに、
真理がひそんでいることも多いのだと僕は思う。
見えないからこそ軽んじられ、
見えないからこそ力を持つ。
夜の静けさが、
昼間の喧騒より心を動かすように。
手触りのないものが、
僕たちの根っこの部分を揺さぶることがある。
目に見える“正解”ばかりを追いかけずに、
言葉にならない感覚をすくい取ろうとする。
それが、誰かと過ごす時間にも
ほんの少しの深みをもたらしてくれると信じて。
秋山 純士の写メ日記
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『見えないものにこそひそむ真理』秋山 純士