夏を代表する花、ひまわり。
昼は太陽の方を向いて咲く。
けれど、
夜のひまわりはどこを見ているのだろう。
大学生の頃、
恩師から畑の一部を借りて野菜を育てていた。
その片隅に、ひっそりと立つひまわりがあった。
夏になるとぐんぐん伸び、
いつの間にか畑の中で一番目立つ存在に。
それは恩師が植えたものだった。
なぜ野菜畑にひまわりを?
理由は聞かずじまいだったが、
その堂々たる佇まいが、
言葉以上に何かを伝えていた。
ある夜、収穫を終えて
帰り際に見たひまわり。
闇の中、わずかに揺れながら、
月光に身を預けるように咲いていた。
夜のひまわりは、
誰にも誇示しない強さを持つ。
昼のように眩しくはないが、
夜を越えるための、しなやかな強さだ。
ひまわりが語ったこと。
誰も見ていない夜に、
静かに呼吸を整え、
根を張り直す時間がある。
だからこそ、
新しい朝に向かって、もう一度咲ける。
秋山 純士の写メ日記
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『夜に咲くひまわり』秋山 純士