アリか、キリギリスか。
その二択で語られてきた寓話に、
僕たちはもう答えを出し始めている。
「どちらでもない」が答えだと。
いや、正確には、
「どちらでもある」のかもしれない。
未来のために積み上げるだけでは、
予想外の嵐にあっけなく吹き飛ばされる現代。
逆に、享楽に全振りしても、
やがて訪れる冬に立ちすくむ可能性がある。
だからこそ必要なのは、
アリ的な勤勉さとキリギリス的な軽やかさの
“ハイブリッド戦略”だ。
生きるための備えはしつつ、
備えることだけに終始しない。
今この瞬間の愉しみを全力で味わう。
夏を「未来のための苦行」ととらえるのではなく、
「人生のページを彩る季節」として生きる。
食糧を運びつつ、
時にヴァイオリンを手に取り、
その音色で自分を癒し、誰かを癒す。
そんなゆらぎが、
現代の“幸せの条件”かもしれない。
改めて、自分に問う。
そして、あなたにも問いたい。
「お前はアリか?キリギリスか?」
「ゴ〇ラか?」
それとも──まだ、決めない?
秋山 純士の写メ日記
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『消えゆくアリとキリギリス 夜の部』秋山 純士