誰かと接するとき、
相手の言葉やしぐさの一瞬が、
ふと心にひっかかることがある。
その「ひっかかり」をもとに、
自分の中で勝手に物語を作ってしまう。
相手の気持ちを、想像だけで補ってしまう。
もしかして不快になった?
何かを我慢させてしまってる?
言葉の裏に、意味があるんじゃないか?
相手との間の見えない距離。
なんか「壁」を感じる。
だがそれは相手が築いたものじゃない。
紛れもなく、自分の中に無意識に
立ち上げた「壁」である。
その「壁」に相手が気づいたとき、
またその相手の世界にも「壁」が生まれる。
ほんの些細なことが、
お互いを遠ざけてしまう──
そんなもどかしさが、ある。
もっと、自由でいてもいいのに。
気を遣わない自分のままでも、
関係は壊れないのかもしれないのに。
でも、繊細な感受性は、
そう簡単に手放せるものじゃない。
“気づきすぎる”心を持っているからこそ、
見えない壁に苦しみながらも、
誰かに優しくなれる瞬間もある。
だから今日のところは、
壁を壊すのではなく、ただ“気づいておく”。
それが何かを変えるきっかけになるのかもしれない。
見えない壁の存在を、
そっと認めながら、人と向き合う。
そんな生き方を認めてもいいと思う。
秋山 純士の写メ日記
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『“壁”との共存』秋山 純士