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秋山 純士の写メ日記

秋山 純士

秋山 純士  (40)

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  • 『閉ざされた解放』
    秋山 純士
    『閉ざされた解放』

    密室がもつ、ふたつの意味。
    外界から遮断された「閉ざされた空間」、
    それゆえに生まれる「解き放たれる感覚」。

    “二人きり”の空間、時間。
    他人の目も、喧騒もない──
    ただそこに在るのは、
    ふたつの呼吸と、ふたつの体温だけ。

    性というものを語るとき、
    どうしても「快楽」や「興奮」という側面が強調されがちだ。
    それは間違っていない。
    けれど、その手前に、
    「触れる前の気配」のような、
    繊細で静かな感覚がある。


    指先のほんのわずかな震え。
    抱き寄せたときのほんの少しの迷い。
    唇が触れる寸前の言葉にならない呼応。

    それらはどれも、
    “開いていくプロセス”そのものだ。
    性とは、単なる欲の発散ではなく、
    閉ざしていた感情が、
    少しずつ溶けていく過程でもある。


    人は誰でも、
    心に小さな鍵をかけて生きている。
    簡単に開けられない扉もあるし、
    そもそも扉の存在に気づいていない人もいる。
    けれど、“ふれあい”の中で、
    ふとその扉が軋み始める瞬間がある。

    それは、大きな音を立てるものではない。
    静かに、ゆっくり、ほんの少し開く──
    それが「閉ざされた解放」だ。


    言葉を重ね、
    手を重ね、
    時間を重ねる。


    目に見えないものに、触れる。
    その中にこそ、
    肉体を超えた“もうひとつの快楽”が、
    静かに宿っているのかもしれない。