表情は、
「今、何を思っているか」をそのまま語るもの──
そう思っていた。
けれど実際は、
自分の中の“本音”と“表情”が
うまく噛み合わない瞬間がある。
心の中では笑っているつもりでも、
鏡に映った顔はどこかぎこちなくて、
逆に何とも思っていないのに、
まわりから「怒ってる?」と心配されたりする。
感情は、思った以上に複雑で、
顔に出る“表情”は、
単純な「イコール」では繋がらないことも多い。
そんなズレを経験していくうちに、
思うようになった。
表情は、
自分でも気づいていない“本音”を
映す鏡なのかもしれない。
「大丈夫」と言っていても、
ほんのわずかな表情の曇りが、
何かが“引っかかっている”ことを、
そっと教えてくれる。
逆に、言葉にしなくても、
表情がふっとゆるんだとき、
本当に安心していることが伝わったりもする。
表情は、うそをつけない。
そして、うそをつかなくていい、と思う自分がいる。
表情が曇っていたら、
無理に晴れやかに見せなくてもいい。
その曇りに、そっと気づいてあげること。
その曇りの中にこそ、
自分でもまだ気づいていない
“本当”があるかもしれないから。
秋山 純士の写メ日記
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『表情は、うそをつかない』秋山 純士