「石の上にも三年」
「我慢強さは美徳」
そんな言葉が、僕たちの中には染みついている。
耐えること。
辛抱すること。
歯を食いしばって、そこに踏みとどまること。
たしかに、それが必要な場面もある。
一時の感情で投げ出すより、
ぐっと堪えることで得られるものもある。
けれど──
それは、本当に我慢するべきことなのか?
それとも、
ただ「そうするしかない」と
思い込まされているだけなのか?
続ければ続けるほど、削られていく心。
このままいけば、
自分を失ってしまうと分かっていながら、
「あともう少し頑張れば」と、
根拠のない希望だけを握りしめる。
そういう我慢も、確かにある。
だが。
「これは我慢しない」と自分で決めることも、
立派な決断だ。
それは、逃げじゃない。
“見極め”だ。
自分を守る、勇気ある選択だ。
我慢の先に、本当に欲しい未来があるのか。
それとも、我慢を手放したときにこそ、
新しい道が拓けるのか。
「人の人生は、望むものではなく、
我慢できるものに落ち着く」
この言葉には、静かな恐ろしさがある。
だからこそ、
僕たちは立ち止まって、
問い直さなければならない。
「何を我慢し、何を我慢しないか」
それを決めることができるのは、
誰でもない、自分だけだ。
秋山 純士の写メ日記
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『我慢の見極め』秋山 純士