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秋山 純士の写メ日記

秋山 純士

秋山 純士  (40)

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  • 「遠近法をふりかえる」
    秋山 純士
    「遠近法をふりかえる」

    子どもの頃、
    田舎のまっすぐな道を歩いていて、
    不思議に思っていたことがある。
    どこまで行っても道幅は同じはずなのに、
    遠くに行くほど細く見える。
    そんなとき、学校の美術の授業で「遠近法」を習う。
    そこでなんとなーくそういうものなんだと納得して、
    それからは深く考えなくなった。


    東京で暮らすようになって、
    そんな風にどこまでもまっすぐに続く道を、
    見かけることはほとんどなくなった。
    立ち並ぶ高層ビル。
    曲がり角の誘導。
    気づけばシンプルな「まっすぐ」ではなく、
    複雑で入り組んだ景色ばかりが
    目に入るようになっていた。


    それでもふと、
    たった数百メートル先の細く見える道に、
    あの頃の記憶が重なることがある。
    遠いようで近い。近いようで遠い。
    数分歩けば、ちゃんと自分の足でたどり着ける。
    でも、だいたいの景色が分かっているから、
    あえて先まで歩こうとはしない。


    あの時、
    細く小さく見えていた道の果てにあったもの。
    それは異次元の世界ではなかったはず。
    でも何となく自分で歩いてみて、
    たどり着いた場所が思っていたよりも温かくて、
    なじみのある景色であることに安心感を覚える。
    きっと人も同じだ。
    遠くに感じていた誰かも、会って話してみれば、
    案外すぐ隣にいたような気がする。


    距離に惑わされない。
    見た目に惑わされない。
    果てしなく遠くに感じるゴールも、
    遠い存在だと思っている誰かも、
    実は“たどりつける距離”に
    存在しているのかもしれない。