暮らしに、さ・し・す・せ・そをひとさじ。
砂糖、塩、酢、醬油、味噌──
家庭料理に欠かせない、基本の調味料たち。
今回は元料理人の僕・秋山が、
それを“日常の味付け”として捉えてみたい。
「さ」…ささやかな喜び
朝起きて飲む、一杯のコーヒー。
あるいは、一杯のお味噌汁。
ささやかな日常の始まりに、喜びを感じる。
そんな一口が、今日を甘くしてくれる。
「し」…静けさ
賑やかなものが溢れている世界だからこそ、
誰もいない公園のベンチとか、
ひとり本を読む時間が、心を調えてくれる。
「す」…すれ違い
誰かと分かり合えなかった日。
うまく伝えられなかった夜。
“すれ違い”もまた、生活の中の大事なスパイス。
苦味のあとの甘みは一層引き立つ。
だから今日の酸っぱさも、意味がある。
「せ」…せつなさ
楽しい時間があったあとは、少しの“せつなさ”が残る。
でも、それは裏返せば「ちゃんと心が動いた証」。
せつなさがある日々は、ちゃんと生きてる証拠だ。
「そ」…そっと寄り添う
寄り添うのは、大切な誰かかもしれないし、
頑張った自分に対してかもしれない。
誰かの一日に、
少しだけ“そっと”触れられたらいい。
料理に調味料があるように、
暮らしにも“味”を加える要素がある。
さ・し・す・せ・そ──
それだけで、今日も少しあたたかい日になる。
生活も、人生も、
味付けのバリエーションは、無限大だ。
秋山 純士の写メ日記
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「暮らしの調味料」秋山 純士