かつて、寿司屋で修行をしていた自分。
魚は、その日のうちに捌くものが多い。
新鮮なうちに処理するのが鉄則。
一日、いや半日で状態が変わるからだ。
それは、思考も同じだ。
ひらめきや気づき、心の揺れ。
それを「新鮮なうちに」捌くのが、
僕にとっての日記であり、表現の原点。
魚も、思考も、“足が早い”。
魚は、美味しく食べてもらうために。
思考は、美味しく読んでもらうために。
僕は今日も、目の前の素材を、静かに“調理”する。
煮るのか、焼くのか──
あえて一晩、寝かせるのか。
温かくして出すか、それとも冷製で出すか。
それは、素材しだい。
思考の“温度”や“脂のノリ”を見極めながら、
最もいい形で、誰かの食卓に届ける。
今、僕はもう料理人じゃない。
けれど毎日、「思考の料理人」として生きている。
誰かの心に、美味しい一皿を届けるために。
秋山 純士の写メ日記
-
「思考の料理人」秋山 純士