秋山 純士の写メ日記

「カウンター席か、テーブル席か、それが問題だ」
かのハムレットも頭を悩ませたであろう
究極の選択


飲食店において
料理を楽しむことはさることながら
その空間を楽しむのもまた粋である


あるときはカウンター席で臨場感を
あるときは個室で特別感を
シーンによって使い方はさまざま


寿司屋では
圧倒的にカウンター席が人気だった


カウンター席では
人との距離が近くなる
それはお客様同士の距離でもあり
お客様と料理人との距離でもある


料理は主役であり
人と人との距離を近づけてくれる
脇役でもある


食事の後はオーセンティックバーで
しっぽりとお酒を嗜むのも大人の愉しみ
カウンター席に通されると
お茶のいい香りがする
よく見るとお茶の葉が焚かれている
嗅覚が刺激されるのも
カウンター席の醍醐味


それが調理場から漂う素材の香りであれ
空間を彩るお香のようなものであれ
その心地よい香りは
一瞬のものであっても
人の記憶に深く刻まれる


飲食店での楽しみは
料理やお酒そのものだけではない
自らの感覚を研ぎ澄まして
その空間を存分に味わい尽くし
その空間に居合わせた人との記憶と距離を
アップデートする営みなのだと思う