ツイキャスでは話していないテーマ。
「社会的認知理論」
今勉強している中で登場したので,自分のためにも要約してみる。
社会的学習理論(social-learning theory)は,「モデリング」で有名なバンデューラという心理学者が構築した理論であり,その内容は,端的に言えば,「環境が行動に影響するだけでなく,逆に行動も環境に影響を与える」というものである。
人の行動理論に関するそれまでの考え方として「行動主義」が提唱されていたが,社会的学習理論では,行動主義からの離脱が目指されていた。
行動主義では,報酬と罰,そして試行錯誤によって,人は取るべき行動を学習していく,という考え方がなされるが,バンデューラは,この考え方では「(人の)生存の可能性は低くなってしまう。」と述べた。
すなわち,「子どもに水泳,青年に自動車の運転,そして新人の医学生に手術の方法をそれぞれ教える場合,彼らに,成功と失敗を繰り返させて,必要な行動を学習させるわけにはいかない」のである。
つまり,もし失敗したら死んでしまうような事柄を,試行錯誤しながら学ぶことはできない,ということである。
対して,社会的認知理論では,報酬や罰などの外的な行動決定因と,信念,思考,期待などの内的な行動決定因の相互作用によって,行動や,機構内のほかの要素が影響されるという「相互決定論」の概念が強調される。
人は行動を決定する際,起こりうるすべての結果を想定し,それぞれの可能性を検討する。次に,目標を設定して,それを達成するための方法や手段を考えるのである。
また,ほとんどの行動は外的な報酬や罰が与えられない状況で起きる,とも指摘される。
これは,「自己制御」と呼ばれる内的過程が生じる結果であるとされ,他者の行動を観察したり,それについて読んだり聞いたりすることを通して学習される。
そして,新しい状況に直面したときに,それらのモデルの観察に基づいた期待に応じて,行動をするというわけである。
つまり,社会的認知理論では,環境が行動に影響を与えるのみでなく,環境,行動,および個人の認知の間に起きる相互作用に注目し,さらに,報酬や罰などの外的な影響に加え,期待などの内的要因も考慮しているのである。
【出典】
Susan Nolen-Hoeksema, Barbara L.Fredrickson, Geoffrey R.Loftus, Christe Loftus, G. R.: Atkinson & Hilgard’s Introduction to Psychology, 16th Ed." Engage Learning EMEA, 2014
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