2024年4月1日に実施したツイキャスで触れた話題のひとつ。
「『おじさん』というステレオタイプ」
ステレオタイプとは,ある集団が,ある社会現象や事象に対して,過度に単純化されたイメージを持つことをいいます。
例えば,「血液型A型は几帳面」(ちなみに血液型による類型論に科学的根拠はありません)であるとか,「日本人は皆空手の達人である」とか。
この例を見ればすぐにわかる通り,ステレオタイプによる単純化は事実と乖離していることが往々にしてあり,また,その単純化は判断する側のバイアスに大きく影響されます。
さて,そんなステレオタイプによる単純化ですが,今回は「おじさん」という存在について考えてみたいと思います。
「おじさん」は様々な文脈で用いられる一般的な単語で,その意味は,中年の男性,親の兄弟,年齢に対して老けて見える人,あるいは,それらのような言動,を指すことが多いと思います。
この単語自体は純粋なものであるはずですが,なぜか度々ネガティブな意味で用いられることが多い気がしています。
なぜなのか。
例えば,中年男性が起こした事件や事故の報道による印象形成や,男女の美意識の違いなどによってもたらされているのかもしれません。
あるいは,故志村けん氏の「変なおじさん」の影響もあるかもしれません。
そして,ステレオタイプの厄介な部分として,「自己成就的予言」による影響があります。
これは,ステレオタイプが,ある特定のカテゴリー(ここでいうなら「おじさん」)に属する人々がとる行動への期待(予期)を生み出すことから,人々がその期待に添った行動をとることによって,ステレオタイプが現実のものとなるケースがあることを意味します。
それがネガティブなものであった場合,「ステレオタイプ脅威」とも呼ばれます。
多くの人が,「おじさん」にネガティブなイメージを持つが故に,実際の「おじさん」もそのイメージ通りの行動を取ってしまっている場合がある,ということが考えられるわけです。
・あなたの「おじさん」のイメージは,何によって生み出されたものであるかを検討すること
・「おじさん」へのポジティブなイメージをふくらませること
・「おじさん」を自覚する者は,自分の行動が大衆のイメージに影響されていないかを検討すること
などの努力によって,いつか,「おじさん」に含まれるネガティブな意味を今より減らすことができるかもしれません。
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