ある日の夜、
ふとした瞬間に昔の思い出が胸をよぎった。
たとえば、
夜な夜な海辺までチャリで向かった仲間たち、
みんなで集まり朝まで騒いだカラオケ、
いつまでも続く永遠のように思えた友との時間——。
今はもう会えない誰かの笑顔や、
もう戻らない季節が胸の奥でそっと揺れている。
そのせいか、夜の静けさの中で瞼が少し重くなる。
不意に耳から入ってくる音楽や、
懐かしい映画の実写化。
様々な要素が僕の記憶を掻き立てる。
思い出すのはあの日の笑顔。
遠くて眩しくて、
でも手を伸ばせば届くように思えた。
「もう一度あの瞬間に戻れたなら……」
そんな気持ちがじんわりと広がり、
だけどどうしようもなく切なくて。
今この瞬間、
自分が積み重ねてきた時間を思う。
忘れていた大切な何か。
それは淋しさだけじゃない。
あたたかくて、
愛おしくて、
未来への小さな灯火にも変わる。
今もそんな気持ちを思い出す自分に、
「ありがとう」とそっと囁きたい。
大崎 一成の写メ日記
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戻らないから切なくて、永遠じゃないから大切に思う大崎 一成