この業界を去っていく人がいる。
会社を辞めていく人がいる。
現役を引退する選手がいる。
解散するバンドがある。
そして、天国へ旅立つ人がいる。
当たり前のようにそこにいて、
共に時代を歩んだ人が少しずつ減っていく。
少なからず人は何かに思いを乗せて生きている。
思い入れの深いものがなくなる時、
多くの人は目に涙を溜める。
悲しい。寂しい。
いなくならないでほしい。
続けてほしい。
だけどそんな思いとは裏腹に、
今日も僕の世界は回っている。
大きく変わることのない日常。
仕事に追われ、
目の前の時間を過ごしていく。
そして、時間と共に少しずつ、
その気持ちは風化していく。
言葉にするとなんだか悲しい。
だけど、それでいい。
共に過ごした時間、
画面を通して共有した時間、
この時代に共に存在したことは事実。
心の中の思い出を忘れてしまわないように。
思い出せるトリガーをしっかりと握って。
音楽を聴いた時、
映像を見た時、
辛くなった時、
楽しい時。
あの人とこんなことがあったな、
あの人が出てたこの映画好きだったな、
昔懐かしいあの試合もう一度観たいな。
そんな気持ちになれるなら、
役割はしっかりと果たされている。
いつかみんな、引退する。
仕事も、人生も。
そんな時たくさんの幸せに包まれて、
笑って、泣いて、いれたらいいな。
たくさんの思い出と、
少しの悲しみ。
これは人生の中で避けられないものだと思う。
そんなことを忘れないように、
何回でも言葉にしていきたい。
大崎 一成の写メ日記
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移りゆく時代大崎 一成