台風が過ぎ去り、夜が落ち着きを取り戻すと、
部屋に漂う湿った空気が、
私たちの距離をさらに縮めていく。
窓越しに聴こえる風の余韻が、
まるであなたの息遣いのように胸をくすぐる。
あの激しさを思い出すたび、
私たちの熱が、再び密やかに燃え始める。
揺れる影の中で、
目が合うだけで心が震える。
嵐が洗い流したのは外の世界だけじゃない、
私たちの奥に潜む欲望も、
濡れた肌に染み込んで、今も冷めやらない。
夜が深まるほど、
言葉はいらなくなる。
ただ、触れ合うだけで、
私たちの物語は続いていく。
北条 光の写メ日記
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台風後のささやき北条 光