「猫になりたい。」という言葉を、最近よく見聞きする。
おそらく人によってその意味は違っていて、
「一日中ぐーたらしていたい」という人もいれば、
「無条件に可愛がられたい」という人もいるだろう。
僕も猫の生き方に憧れるうちの1人。
家で飼っている猫は、
人間の猫に対するステレオタイプを詰め込んだような、
「ザ・猫」。
普段はどれだけ呼んでも無視するくせに、
自分の甘えたいときだけスリスリと体をくっつけてくる。
「待ってました!」とこちらがノリノリで顔を撫でると、
急に満足して、心底ウザそうに手を噛んできたり、
「んにゃー」と鳴いたと思ったら、
大体餌皿の前でご飯の催促をされて、その日の会話は終わり。
ロシアンが飼いたくて、
いくつものペットショップを巡りようやく出会い、
小さいときから大事に育ててきたのですが...
今では完全に、都合のいい男扱い。
僕のことは、「餌を取りに行くニンゲン」程度にしか思っていないだろう…
しかし、もはやそんな扱いもしくなってしまうくらい、
猫の恩知らずで正直な生き方が、愛おしくてたまらない。
「これだけのことをしてくれた」と、
相手がどれだけ自分のために尽くしてくれたのかを推し量ったり、
それに応じて自分のコミットメントを変えたり。
こういう人間がやりがちな打算的な考えが、できない猫。
多分そもそもその機能が備わっていないんだろう…尊い。
正直さという点で、猫に勝る動物はいないと思う。
例えば犬も正直者だとは思うが、ベクトルが違うというか....
200%の愛情を毎日同じ熱量で伝えてくれる犬、
ある意味可愛すぎてリアリティがないように感じるのかもしれない。
その点猫は、気分にムラがある動物なので、
その不器用さがなんかリアルに感じられる気がする。
ただその場に存在して、好きなときに好きな人にだけスリスリと甘え、
苦手な人が来るとベッドの下に隠れて出てこない。
自由で、不器用で、正直で、
計算がない”猫”という生きものを見ているだけで、
その純粋さから心が癒され、
やはり「生まれ変わったら猫になってみたい」と、憧れずにはいられない。
水城 律
水城 律の写メ日記
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【猫になりたい】水城 律