前回投稿した写メ日記『コロンを待ちながら(海底編)』が某所でかなり好評で、ありがたいことにしばしば反響の声を頂いている。
その多くの感想の中の一つに
「『バルカローレ』の後に註釈記号*が付いているのに、註釈がない」
といったご指摘があった。
実はこの註釈記号はただの演出で、あえてこの記号を挟むことで(巻末に註があるような)文庫版の詩集の雰囲気を出し、かつ実際の註釈を省くことで(文章としてはルール違反だが)世界観を壊さないようにした、というメタな文章表現だったのだが、型破りなだけに困惑を招いたようだ。
堂本としては、少しやり過ぎたなーと思っている。
さて文中で出てきた「バルカローレ(仏:barcarolle,伊:Barcarole)」というのはピアノのための楽曲の種類の一つで、ワルツやエチュード、ノクターンと同じような、曲の性格による分類の一種だ。
元々は水上都市・ヴェネツィア(ベニス)の舟唄を模したもので、曲想としては基本的に6/8拍子の水上を漂うようなゆったりとしたリズムの低音部の上に、抒情的で甘いメロディが乗っかった構成の、心地の良い楽曲がほとんど。ショパンやチャイコフスキーといったクラシックの大家をはじめ、多くの音楽家が独自の「バルカローレ」を書いている。
堂本の好みとしてはやっぱりショパン版(↓はロマン派音楽解釈の巨匠ホルヘ・ボレットによる演奏)と
https://open.spotify.com/intl-ja/track/2vmQeV8S0Wo0agrN2v3aKn?si=eccac2a5711f4ab3
クラシックギター界のショパンことナポレオン・コスト版をオススメしたい。
https://open.spotify.com/intl-ja/track/2LcNPc1wi5bS0LGmg5faIU?si=c3e9decd2f244a64
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盆過ぎのまだまだ暑く、眠れなくて寂しい夜。
たまには瞳を閉じて涼しげな水辺を思い浮かべながら、舟旅の夢でもいかがでしょうか。